花騎士としての名前として与えられた花はカタクリ。ユリ科カタクリ属の多年草である
日本を含む極東地域の平地から山間の森林に分布し、日本では中部地方以北に多くみられる(国内分布の南限は熊本)
カタクリ以外のカタクリ属はユーラシア大陸4種、北米大陸20種が確認されているが、日本にはカタクリ以外のカタクリ属は分布しない
落葉性の広葉樹林を好み、時にキンポウゲ科のキクザキイチゲや
ニリンソウといった草本と同所同時期に開花する
草丈は花茎で10cm程度、紫の花が一つ下向きに開花し花被片は反り返る
地域差があるが葉に暗紫色の模様が出る
花被片は日光に反応して開き、曇天では一日閉じたままになる
このためスギなどの林に自生する個体では縁辺付近や開けた場所で日光がよく当たる個体のみが花をつける
開花のために1ヶ月前後の間のみ地上に繁茂し、実際に開花するのは群落全体で2週間ほどしかなく、しかもその後は葉茎を枯れさせ翌年まで休眠する
春にしか姿を現さないことから、スプリング・エフェメラル(春の妖精)と呼ばれる
カタクリは発芽するとまず細い葉を、翌年から1枚の楕円形の葉を出して栄養を蓄え、2枚目の葉が出る7〜8年目までは花をつけない
毎年新たな球根を下に下に更新していき、平均寿命は40〜50年ともいわれる
球根を精製したデンプンがいわゆる片栗粉なわけだが、カタクリを原料として使用すると量が少ないためそのへんのスーパーなんかで量販される片栗粉は基本的にデンプンの塊である芋、主にジャガイモやサツマイモを原料にしたデンプン粉である
乱獲、盗掘や森林開発で個体数が減っていることもあり、カタクリ片栗粉はいいお値段になる
案の定というべきか、栽培されているものはまだしも自生するカタクリは絶滅危惧種指定をしている都道府県が多く、いくつかの国立公園でも保護指定されている