光華祭の後。南東より再び害虫が現れ、大規模攻勢を仕掛けてきた。
対するは付近のブロッサムヒル・リリィウッド・バナナオーシャンによる花騎士連合軍。戦況は拮抗状態。
団長率いる少数精鋭による偵察部隊とザクロは、以前グリーンベル達が調査した最前線・・・ロータスレイクとの国境ぎりぎりまで強行偵察をしに行く。
そろそろ行きすぎたかと思い引き返そうとするその時、「対岸方向から」近づく人影。
それは―――ロータスレイクから来た花騎士、ラミウムとカキツバタ。
現在ロータスレイクは危機にあり、極秘裏に少数の他国花騎士の救援を要請しに来たとの話で、団長達はそのままロータスレイクまで行ってしまう。
救援要請の依頼主はなんとロータスレイク女王ハス。一刻を争う事態に、ついて来てほしい場所があると言われ案内された先は、なんと水中にあり空気の泡で包まれた都市。
ロータスレイクは長い鎖国の間、この泡・・・バブルロータスに護られた水中都市と、極力侵入路を減らして空中勢力を優先できる戦略によって、自国のみでも安定して害虫に対抗してこられた。
だが、今になって見たことのないタイプの害虫、つまり、水中から襲ってくるゲンゴロウ型害虫の出現によって、水中都市の守りが崩れた。
そこで、バブルロータスが破られる前に撃破を手伝ってほしい。
しかし、これにザクロが反発する。
「何?今までずっと閉じこもってて、自分達だけの楽園が危ないから助けろって?」
「それで用が済んだら帰って無かったことにしろなんて、都合がよすぎるよ!」
女王だからといって遠慮せず言えと言ってしまった手前止めることもできずに聞くハス。
彼女は・・・とっくにわかっていた。このままではいけないと。ロータスレイクに鎖国し続ける余裕など無いのだと。
だから・・・だから、救援要請に踏みきった。周囲が他国の力を借りることに難色を示す中、独断で強行した。
それでも改めて正論で打ち負かされ、ハスは泣いてしまった。
冷静になったハスは、ひとつの思いきった決断を下す。
彼女の、ロータスレイク女王の答えは―――今こそ、ロータスレイクを開国する。
自ら断った外の世界を今ふたたび受け入れ、安寧の水の殻より飛びたつ。
ハスの演説と開国宣言を聞いた国民は・・・
拍手。一同みな不満の声のひとつもなく、歓声に沸く。
今ここに、かつて閉ざされた蓮が花開く――――
ブロッサムヒル側、ジョルン湿地帯対害虫戦線にようやく戻った団長らとザクロ。
ロータスレイクからハス達3人も加勢し、一気呵成に巻き返す。
なお戦場は害虫の増援より混乱する模様