「コダイバナでの作戦、およびコダイバナ深部への侵攻に先がけ、活動拠点を開拓せよ」
それが、今回騎士団に与えられた任務である。
場所は元々防衛基地都市として構えられたブレーメン跡。
・・・さて、団長諸君。ブレーメンはベルガモットバレー・リリィウッドと近接する場所にあるとはいえ、ミントやワルナスビの一本も生えないあのコダイバナだ。それを
緑化するなんて、どうすればよいのか。
ここに、試験的な解決策が用意されている。その名を「生命樹」
この生命樹は世界花の加護を得られない地域においてさえ、世界花と同様に陽光の雫を養分に成長することができる。ちなみにいつものベルガモットバレーのチート発明家ケンザンが原案である。
その生命の苗木を、コダイバナの枯れきった土に植える。
一抹の不安もそっちのけ、枯れる様子も見せず無事に息づいてくれたようだ。
一夜明け、生命の苗木に水やりをしに行くと・・・?
なぜか赤ん坊?が落・・・置・・・えーと・・・居る。
これが生命樹「ナーエ」(命名・ツツジ)との初邂逅であった。
ベルガモットバレーでの過去の研究の間にも同様に生命の苗木を育てている最中に精霊に近い存在が現れたという報告があったと、生命の苗木の資料にも書いてある。
ナーエは生命樹の精霊ということで、これまで通り陽光の雫を飲ませようとしてみるもあえなく拒否される。
いろいろ作ってみて辿り着いた答えは・・・どうしてマカロン
ナーエは与えられた緑化の使命にやる気まんまん、ブレーメンの廃墟街があっという間に草花あふれる姿になってゆく。
しかし、そこに自然があるのならそのエネルギーを喰らい尽くさんとするのが害虫。
否、それ自体は始めからわかっていたこと。問題はナーエが張り切りすぎて対応が遅れていること。
ナーエを狙って襲って来た害虫は、周辺の力を吸い取りながら接近。
そこへナーエが現れ、花騎士達を守るために力を使い大きく消耗してしまう。
そして、後日。
ナーエは力を使って休眠していただけで生きていた。
コダイバナへの反攻は、西の荒野の復興は、まだ始まったばかり。
これからは花騎士ブレーメン派遣部隊が交代でナーエの世話をしつつ、従来通りの防衛も行う。
小さな希望よ、大きく育て