ウィンターローズを流れるフィユル川の沿岸、案外ちょくちょく行ってる気がするあの町でイースターの祭りが準備されていた
なぜかここに安心と信頼のブレない群衆Dが居る
賑わう町、テンションの振り切れたガキンチョどもの中に
笑わない男仏頂面の少女が一人
カルダミネステイ
気になりますねぇ〜細かいことが気になっちゃう、僕の悪いクセ
えぇ〜調査によりますとぉ〜、『恐怖の子ども審査員』・・・?
以前に開かれたクリスマスやハロウィンの料理大会で全て一言の下に切り伏せたという、難攻不落の海原雄山だったのである!
その舌を唸らせるためには、並大抵の食材では出せない味を、並大抵ではない食材を用意しなければいけない・・・
フィユル周辺で言い伝えられる、「どんな人でも笑顔にする」という幻の卵、これを今日中に探し出すのだ
タマゴホスィから強奪してこよう
探すアテはない!方法はモンヨウショウの幸運に全BETしたダウジングだ!きっと今回もなんとかなるなる!
やっぱり私もタマゴホスィ
お姉さんいつの間に!?
お姉さん連れては道から大きく外れられず、休憩に寄った洞窟で団長と待機していてもらう
チョコモス達が見つけられたのは卵ではなくなんかそれっぽい形のボール
え?これ?真ん中のくぼみ?押すと開く?中のメモが噂の正体?いやいやちょっとなんでそんな具体的なこt透けてるぅー!?お姉さん越しに景色見えてるぅー!
最後の材料を・・・私と、一緒に・・・
声色もやべぇ
かすれる声で語りはじめたのは、ちょっとした昔話
かつてフィユルの町が拠点として栄えていた頃、町の名物になっていたカップケーキがあった
その材料は害虫も出る危険地帯から採取しなければいけなかったが、当時は常駐の花騎士もおり調達のツテがあった
拠点としての重要性が失われ過疎化が進み、花騎士の常駐も撤廃されて以後、自分の家庭でしか作らなくなった
だから、知っているのは当時を知る老人か、そうでもなければその家の人間のみとなった
そして、あの少女にカップケーキを食べさせ、笑顔を取り戻して欲しいと
・・・そこまで伝えると、おばaお姉さんに許された時間は無くなってしまった
託されたこのレシピを、代わりにあの子のもとへ
翌日、審査に出すのはもちろん
ヴェルタースオリジナル。なぜなら、彼女もまた特別な存在だからです「幻の卵」
少女の歌のとおりに、「白(バター)と黒(チョコ)は仲良くお風呂(湯煎)」「ひよこさん(卵)と牛さん(牛乳)はミツバチさん(蜂蜜)と踊る(撹拌)」「そしたら空から雪が降って(薄力粉とベーキングパウダー)」そして肝心の「大きな宝石」、野苺を
これが自力で手に入れられず、完全版を食べさせられたことがなかったのが、お婆ちゃんの心残りだった
お婆ちゃんの「百点満点」で、『恐怖の子ども審査員』の心にようやく雪解けが訪れる
そういえば、そのお婆ちゃんが死んだのが半年前でそれからずっとこんな調子だったそうですよ?
つまり、あのお姉さんは少女の姉じゃなくお婆ちゃんだったんだΩΩΩ<なんだってー!!!